古代ローマ帝国でも使われた窓ガラスですが、これが現在のような大きな一枚ガラスに加工できるようになったのは、20世紀半ばに開発、実用化されたフロート法によるものです。
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そして現在、さまざまな窓ガラスによって、家の採光と意匠が工夫され、個性的な様相を為しています。さて窓ガラスの重要な役割は、部屋の中に明かりを取りこむ採光とともに、開けたときは外気を取り込み、閉めたときは遮断するというものがあります。ところが通常、窓ガラスは壁と比べてどうしても断熱効果に劣るため、冬場部屋の中をどんなに温めても寒い外気の進入をゆるしてしまったり、夏場のクーラーの冷気を屋外に逃がしてしまうことだってあります。
さらに窓ガラスは、やはり壁と比べると遮音性能でも劣ると考えられます。外の騒音、家の中の話し声など、どちらも漏れてほしくないものですが、窓ガラスを通して伝達されてしまうというわけです。
ところが20世紀も終わろうかとしていたとき、日本のガラスメーカーとシドニー大学の共同開発によって画期的な窓ガラスが生み出されました。それが真空ガラスです。
真空ガラスとは、その名のとおり二枚のガラス板の間に空間を作り、そこを真空にすることによって、熱や音の伝導を遮断しようという設計思想のもとに生まれたガラスです。二枚のガラスが互いに張り付いてしまわないよう、小さな支えがある以外、基本的には真空状態のため、非常に優れた断熱、遮音効果があると言われているのです。
音が外部に漏れないということは、外部からも音が入ってこないことを意味します。睡眠を妨げる要素が減れば、こんなにうれしいことはありませんね。また、冷房や暖房の効率が飛躍的にアップすれば、それだけ家計が助かるわけですから、これもまた嬉しい限りです。
今後は日本の住宅のスタンダードになるとも言われる真空ガラスを、ぜひ自分の家でも使ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。